第5節

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朝に――というのも、もちろんどんな放埓な仮面舞踏会のあとにも、必ず朝はやって来るし、そして朝こそが本当の意味での道徳なのだが――Hans Castorp は食堂に座っていた。その食堂はもはや食堂とは呼ばれず、国際的な快適さを思わせる、何か別の名前を名乗っていた。彼の前には白くて大きな皿があり、その上には豪奢な朝食の色とりどりの解剖図が広がっていた。サーモンはオレンジ色で絹のよう、ハムが一切れ、青白くてきちんとしており、目玉焼きが一つ、その黄身は小さな太陽のように輝いていた。赤い酢漬けのかけらは玉ねぎの味がして、血のように見え、黒に近いほど深い紫色をした暗いビートの薄切りがあり、そのそばにはオレンジ色の小さな粒の山が添えられていて、キャビアのようで、まるで海からその卵を買い取ってきたかのようだった。きゅうりの輪切り、トマト、少しの緑、そして黒いパンが一切れ、重く、誠実で、その一片にはバターの点が、アリバイのようにぴたりと張り付いていた。

彼はゆっくりと食べた。満腹だったからではない――ゆっくり食べることは、夜が奪い去ってしまったときに残される、最後のかたちのコントロールだからだ。

そして食べながら、彼は考えた。これがつまり第二のヴァルプルギスの夜なのだと。もはやそれはベアグホフにはなく、もはや見張りの立つ扉のある食堂にもない。それはウェルネス・リゾートにあり、凍てつく舗石の上にあり、ポップコーンとプレキシグラスのあいだにあり、フォトボックスとアイスバーのあいだにあり、水の中の泡とワインの中の泡のあいだにあり、氷の中の日付と空の煙のあいだにあるのだ。

彼は考えた。戦争からは脱走できる。人生からも脱走できる。だが時間からは脱走しない。できるのは――もし運がよければ――せいぜい一晩だけ、時間に、そこにいないふりをさせることだけだ。

彼はパンの一切れを少し脇へ押しやり、黄身、この白の上の小さな太陽を眺めて、微笑んだ。

その微笑みは丁重だった。そして少しばかり味気なかった。

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